【潜入!】まいぷれ小樽編集部が行く!
毎日の小さな積み重ねが、大きな変化につながっていく
「人は変われる」――この言葉を、身をもって実感している方がいます。
小樽市で障がい者の就労支援に携わる佐々木さんです。
飲食業からの転身、わずか1年での気づき。その目には、支援の先にある希望の光が映っています。
就労支援B型事業所「らしくワーク」で日々奮闘する佐々木さんに、福祉の仕事で見出した誇りとやりがいについて、熱く語っていただきました。

編集部:佐々木さん、福祉の世界に入ったきっかけを教えてください。
佐々木さん:実は、本当に偶然なんです。以前は飲食店で管理職として働いていました。
らしくワークとの出会いは営業先としてで、「バイト募集してるんですけど」と声をかけられたんです。正直、軽い気持ちで始めました。福祉のことなんて、全然知りませんでしたから(笑)。
でも、関わるうちに、これまで経験したことのない世界が広がっていったんです。
編集部:佐々木さんは、らしくワークで具体的にどのような仕事をされているのでしょうか?
佐々木さん:主に調理を担当しています。利用者さんと一緒に料理を作りながら、自立に向けたスキルアップのサポートをしています。例えば、包丁の使い方や調理の基本を教えたり、衛生管理の重要性を伝えたりしています。
また、最近はキッチンカーでの出店も増えてきました。これは利用者さんの就労体験の場としても重要で、接客スキルを磨く機会にもなっています。
そして、調理以外にも管理業務も担当しています。利用者さんの送迎手配、各種請求書の処理、そして何より大切なのが利用者さんのメンタルケアです。「今日はどうして来たくないの?」といった日々の小さな変化に気づき、適切なサポートをすることも重要な仕事の一つです。

編集部:福祉の仕事を始めて、どんな発見がありましたか?
佐々木さん:「人は変われる」ということを、本当に目の当たりにしました。ある利用者さんの変化が特に印象に残っています。
最初は注意されただけで午後から働けないと言っていた方でした。でも、毎日少しずつ、できることを増やしていく姿を見守りました。包丁を持てるようになり、野菜を切れるようになり、そして料理を完成させられるようになる。その過程で、その方の自信も少しずつ育っていきました。
そして今年の2月末、その方はより一般就労に近い形態のA型事業所へステップアップしたんです。その方が、らしくワークで学んだ料理のスキルを活かして働いている姿を見た時は、涙が出るほど嬉しかったです。自分たちが背中を押せたことが、こんなに大きな変化につながるんだと。人の可能性を信じ、寄り添い続けることの大切さを教えてもらいました。
編集部:素敵なエピソードですね。
佐々木さん:これからも、一人でも多くの方にそういった変化を体験してほしい。それが今の私の原動力であり、この仕事の最大のやりがいだと感じています。
毎日の小さな積み重ねが、大きな変化につながっていくんです。それを目の当たりにできるこの仕事に、大きな誇りを感じています。
編集部:福祉の仕事を通じて、佐々木さん自身も変化を感じますか?
佐々木さん:そうですね。最初は利用者さんとの距離感がわからず、迷いながら接していた時期がありました。でも、秋田社長からのアドバイスもあり、「一人の人間として向き合う」ことの大切さに気づいたんです。
利用者さんと同じ目線に立ち、共通の趣味や興味を見つけていく中で、互いに理解し合える関係が築けていきました。そして、その過程で自分自身も成長できたと感じています。

編集部:らしくワークの活動について、外部の方々からどのような声を聞くことがありますか?
佐々木さん:一度、施設見学に来られた方から「障害者さんを食い物にしているんじゃないの」と言われたことがあります。
編集部:そういった発言を聞いて、どのように感じましたか?
佐々木さん:正直、その時はすごく悔しかったですね。最初は本当に悲しくて、怒りさえ感じました。
でも、よく考えてみると、私たちがまだまだ社会に対して自分たちの仕事の価値を十分に伝えきれていないということの表れでもあるんだと思いました。
編集部:そういった偏見や誤解に対して、どのように対応されていますか?
佐々木さん:まず、私たち自身が胸を張って仕事ができることが大切だと考えています。
本当に利用者さんを「食い物」にしているのであれば、わざわざ外部から売り上げを得ようとしたり、キッチンカーを出したりはしないはずです。
私たちは、利用者さんの可能性を信じ、一緒に成長していく仲間だと思っています。そのことを、日々の仕事を通じて示していくしかないんです。
例えば、キッチンカーで販売する「寿司パン」は、利用者さんと一緒に試行錯誤を重ねて開発したものです。これは単なる商品ではなく、利用者さんの成長の証でもあるんです。
編集部:利用者さんと一緒に商品開発もされているんですね。
佐々木さん:はい、「寿司パン」は利用者さんと一緒にアイデアを出し合って作り上げました。
障がいのある方でも作れる工程を考えつつ、同時に魅力的な商品にする。その過程で、利用者さんの新たな才能や可能性を発見できることも多いんです。それが、また新たなやりがいにつながっています。

編集部:最後に、福祉の仕事を目指す人や、支援を受ける立場の方々へメッセージをお願いします。
佐々木さん:この仕事は、人の可能性を信じ、その成長に寄り添える素晴らしい仕事です。確かに大変なこともありますが、それ以上にやりがいがあります。
一人ひとりの「らしさ」を大切にしながら、共に成長していける。そんな喜びを味わえる仕事はそう多くないと思います。
支援を受ける方々には、自分の可能性を信じてほしいです。小さな一歩から始まる変化が、きっと大きな飛躍につながります。私たちスタッフは、そんなみなさんの挑戦を全力でサポートします。
これからも、北海道の最低賃金(960円)を就労支援でも実現することを目標に、一人でも多くの方が社会で活躍できるよう、支援を続けていきます。
共に、誰もが「らしく」生きられる社会を作っていきましょう。
佐々木さんの語る言葉の一つ一つに、福祉の仕事への誇りと情熱が溢れています。
飲食業での経験を活かしながら、利用者一人ひとりの可能性を引き出す支援。その姿勢が、障がいのある方の自立と社会参加を着実に後押ししています。
佐々木さんが所属するらしくワークの取り組みは、福祉の新しい形を示すだけでなく、私たちの社会のあり方そのものを問いかけているのかもしれません。
一人ひとりの「変化」を信じ、寄り添い続ける。今後も佐々木さんの活動を応援していきたいですね。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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