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九十九屋さんたの妖怪古今録

水神と牛

中国で言う水の神、河伯とは

前回、牛と水辺が関わっている伝説がある事をお話しました。しかし、どうして牛かという具体的な理由は語られていませんが、ヒントになる話が伝わっています。

まず、中国のお話です。
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氾濫した川の中で、何かが下っていき、水が引く頃に上っていった。その時、水は逆立ち、牛のような背中だけが見えた。昔からそれは“河伯”であるという。
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河伯というのは中国で言う水の神ですので、主といっても差し支えはないと思います。

また、水神に祈祷して願う事はいくつかありますが、そのひとつに雨乞いがあります。
雨乞いの際に、生贄が捧げられますが、その供物の中に牛があります。牛が捧げられた際の行事を殺牛祭神といいます。漢国神と言われる事から朝鮮半島を経て日本に伝わってきたものとも、固有の行事であるともいわれるものです。
説が割れるのは、各地で行われていたからです。殺牛祭神は、雨乞いを含め、農耕全般に関わる豊穣を祈る儀式でもあったからです。しかし殺牛祭神は、仏教が広がるに連れて、殺生が禁忌のものとなり消えていきました。

 水に関わる牛の伝承は、河伯と、殺牛祭神が根底に残っていると思うのですがどうでしょうか?

ちなみに福島県には雨乞いと牛の関わりをよく残す伝説が残っています。

ある牛が、主人が鹿を追って帰ってこなくなったので、小野嶽の頂上にある小野沼に飛び込んだという。それから、ここで牛の話をすると必ず雨が降る。
牛の首を作って沼に投げ込み、雨乞いをするが、牛の生首を投げ込むと大嵐になって、会津ではその年、米が取れなかったと言われています。
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