往年の名作「ローマの休日」を，札幌シネマフロンティアのスクリーンで鑑賞しました。一度は大画面で観たい！と思っていた作品を劇場で鑑賞できるのは，誠にありがたいものがあります。昔からレンタル媒体で何度か観ていますが，相変わらず，メインの２人が出会った際の詩をめぐるやりとり（キーツorシェリー）にはついていけません・・・。教養は自動的には備わりませんねえ。
　ところで，この作品が作られた当時（１９５３年），アメリカでは，いわゆる「赤狩り」旋風が猛威を振るっており，そのため脚本家のダルトン・トランボは知人脚本家の名前を借りて本作品の脚本を作成しました。監督のウイリアム・ワイラーその人も，赤狩りによる“血祭り”にあげられる恐れがあったことから，アメリカを離れてローマで撮影したという噂も・・・。世が世なら，生まれなかったかもしれない作品。日本人の多くが「自由の国」というイメージを抱いているアメリカでも，かつて思想良心・表現の自由を脅かされる大変な時代があったわけです。
　現在，香港では逃亡犯条例反対のデモをめぐり紛糾していますが，日本では大丈夫でしょうか？まさかのときに，我々はダルトン・トランボやウイリアム・ワイラーのような行動をとれるかどうか？
　映画の鑑賞後，いろいろと思いが広がりました。